境界線のない一日に、時刻を刻む
在宅ワークの朝は、玄関を出ない。着替えも最小限で、洗面台から机まで数歩の距離しかない。
その短さが、かえって一日の切り替えを曖昧にする。仕事の始まりも、終わりも、どこにも線が引かれていない。
冬の部屋は、暖房の温風だけが静かに循環している。空気が動いているのに、部屋の質は変わらないまま時間が進んでいく。
オンライン会議の前、画面を開く。カメラに映る背景を確認する。でも、自分の中の空気は、まだ朝のままだった。
香りは、気分を変えるためのものではなく、一日の中に小さな「間」をつくるための道具だった。朝、夕方、夜、眠る前。それぞれの場面に置く香りを決めることで、生活の流れが静かに整い始める。
時計が刻むのは時刻だが、香りが刻むのは「場面の切れ目」だった。
08:30:始動|空気を書き換え、指を動かす
机に向かう前、ボトルを手に取る。2回、霧を空中へ放つ。
霧が落ちていく間、視線はまだ窓の外にある。それだけで、部屋の空気がわずかに冷たく、少し澄んだ感じになる。
香りが届くのは、霧が消えたあと。鼻ではなく、呼吸の奥のほうで気づく。
PCを開く。カメラを起動する。その間に、肩の力が少しだけ抜けている。
アロマスプレーは、部屋の空気を「書き換える」道具だった。会議の前、集中したい作業の前。霧を放つだけで、自分の中のモードが静かに切り替わっていく。
Item Selection:作業の入口
用途:PCを開く直前、デスク周りに
役割:霧を放つ動作で、意識を作業モードへ強制的に移す
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17:30:終止符|10分間の火で、仕事を止める
仕事が終わったあと、すぐに休めない。画面を閉じても、頭の中はまだ動いている。
そんな夕方、マッチを擦る。小さな音が、静かに響く。
hibiは、10分間で消える。燃え尽きるまでの時間が、そのまま「終わり」の目安になる。
火を眺める。煙が上がる。その10分間、思考が止まっている。
火が消えたあと、煙の匂いが少し残る。その余韻が、次の動作への合図だった。
仕事を終える、という行為に物理的な区切りがついた。火が消える=作業終了、という単純な構造が、頭の中の切り替えを助けている。
Item Selection:夕方のリセット
用途:仕事を終え、PCを閉じる瞬間に
役割:10分という「時間の終わり」を可視化し、思考を止める
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21:00:余白|光の温度で、角を丸くする
夜、リビングに移る。仕事の名残が、まだ体に残っている。
キャンドルに火をつけるのは少し面倒になる。でも、香りは欲しい。
キャンドルウォーマーランプは、火を使わずに熱だけを当てる。ランプの光が、キャンドルの表面をゆっくりと温めていく。
ロウが溶け始めると、香りが広がり始める。光の熱だけで、部屋の空気が少しずつ変わっていく。
火を消す手間がない。タイマーを設定しておけば、あとは自動で止まる。
溶けていくワックスの表面を、ぼんやりと眺める。その揺らぎが、視界の端に残っているだけで、夜の時間が少しだけ静まっていく。
火の緊張感ではなく、光の静寂。それが、夜の部屋に必要な温度だった。
Item Selection:夜の停滞
用途:リビングで過ごす、眠る前のひととき
役割:火を使わない安心感と、溶け出すワックスの視覚的な揺らぎ
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23:30:入眠|呼吸の手前を整える
ベッドに入る前、枕元でディフューザーのスイッチを入れる。小さなランプが点灯し、霧が静かに立ち上がる。
ディープスリープの香りは、ラベンダーとカモミールの混合。鼻に届く前に、呼吸の手前で香りが止まっている感じがする。
布団に入る。目を閉じる。意識が遠ざかっていく手前で、香りだけが残っている。
ディフューザーは、15分で自動停止する。眠りに入ったあとも、香りの余韻だけが枕元に漂っている。
寝つきが早くなったわけではない。でも、眠りの入口が、以前より静かになった。
言葉が消える。思考が止まる。その境界線を、香りが少しだけ手前に引き寄せている。
Item Selection:眠りの境界線
用途:枕元、あるいは布団に入る直前
役割:呼吸を深くし、言葉(思考)が消えるのを待つ
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香りを置く場所を知っているということ
在宅ワークの一日は、境界線がない。でも、香りを置くことで、時間の質が少しずつ変わっていく。
朝の霧。夕方の火。夜の光。眠る前の呼吸の手前に残る香り。それぞれが、一日の中に小さな「間」をつくっている。
翌朝、また同じ部屋で目を覚ます。空気は昨日と同じように見える。でも、香りを置く場所を知っているだけで、一日の流れが静かに整っていく。
時計が刻むのは時刻だが、香りが刻むのは「場面の切れ目」だった。
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