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朝のキッチンで、窓から斜めに光が差し込んでいる。
白いテーブルの上に、細い金属のスプーンが静かに置かれている。
15.0% のアイスクリームスプーン。手に取る前から、その重さの気配だけが指先に残っている。
冷凍庫から出したばかりのアイスを前にすると、以前は必ず一拍があった。
固い表面にスプーンを差し込もうとして、先端が止まる。
少し待つ。柔らかくなるのを待ちながら、視線だけが宙を漂っていた。
このスプーンは、その一拍が生まれる場所に最初から置かれている道具だった。
無垢のアルミを削り出した金属面は、光を静かに返している。
柄の丸みは手のひらに馴染み、力を入れても指が痛くならない。
金属の先がアイスの表面に触れる。
手のひらの温度が柄を伝い、そのまま先端へ運ばれていく。
表面がゆっくり沈んでいく。固さが緩んで、スプーンが中へ入っていく。
溶けるのを待つ一拍が、動作の途中から消えている。
握る位置を変えずに、そのまま奥へ進めていける。
削れたアイスが、静かに先端に乗っていく。
朝の光が、テーブルの上で少し角度を変えている。
スプーンはアイスの中に残ったまま、次に手を伸ばすまでそこに立っている。



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