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冬の朝、キッチンの窓から斜めに光が差している。流し台の金属が冷たく、手を触れると指先が一瞬引く。コンロの前に立つまでの空気が、まだ少し重い。
調理前の間が、動作を分断していた
以前は、フライパンを火にかける前に、火力の設定で手が止まっていた。強火で一気に焼くか、中火でじっくり熱を通すか。食材によって判断が変わり、その都度コンロの前で一拍が挟まる。
フッ素加工のフライパンは軽くて扱いやすいが、火力を上げすぎると焦げ付きの不安があった。テフロンが剥がれる心配もあり、中火以下に抑える習慣がついていた。その結果、食材を入れてから温度が上がるまでの待ち時間が長く、調理の流れが途切れる。
鉄という素材が、判断を短くする
木屋の打出しフライパンは、厚さ1.6mmの鉄を職人が槌で叩いて成形している。表面に細かな凹凸があり、油が馴染みやすい構造になっている。持ち手は木製で、火にかけても熱が伝わりにくい。重さは約900gあり、片手で振るには少し負荷がかかる。
鉄は熱伝導が遅いが、一度温まると蓄熱性が高い。強火で一気に温度を上げても、素材が受け止める。フッ素加工のような剥がれの心配がなく、金属ヘラも使える。火力の上限を気にする必要がない。
動作が連続している
朝、卵を焼く。フライパンを火にかけ、強火でしばらく待つ。油を薄く引くと、表面を滑るように広がる。卵を割り入れると、白身の縁が一瞬で固まり始める。
火から離れない。フライパンを軽く揺すり、卵の位置を調整する。焼き色がつくまでの時間が短く、次の動作に移るまでの間がほとんどない。皿に移し、そのままベーコンを焼く。油を足さず、肉の脂だけで火が通る。
鉄は焦げ付きやすいと言われるが、温度が安定していれば食材が張り付くことは少ない。使い終わったら、お湯で流して亀の子たわしで軽くこするだけ。洗剤は使わない。水気を拭き取り、コンロで空焼きして油を薄く塗る。この手入れが、次に使う時の焦げ付きを防ぐ。
他の選択肢との違い
ステンレスのフライパンも蓄熱性は高いが、重量が大きく、片手で扱うには負担がある。アルミは軽くて熱伝導が早いが、蓄熱性が低く、食材を入れた瞬間に温度が下がる。鉄は、重さと熱の保持のバランスが取れている。
打出しフライパンは表面が滑らかに仕上げられていない。そのため、油が凹凸に入り込み、食材との接地面に膜を作る。この構造が、焦げ付きにくさを生んでいる。
キッチンでの位置づけ
フライパンは、コンロの左側に掛けてある。朝の調理で最初に手に取る道具になった。卵、ベーコン、野菜炒め。どれも強火で短時間で仕上げられる。
鉄の手入れは面倒だと思われがちだが、実際には洗剤で洗わない分、片付けの手間が減っている。お湯で流し、拭いて、油を塗る。この流れが、調理後の動作に組み込まれている。
注意点
鉄は湿気に弱い。使用後に水気を完全に拭き取らないと、錆が発生する。錆びた場合は、クレンザーで磨き直し、油を塗り直せば使える状態に戻る。
持ち手の木が焦げることがある。長時間火にかける場合は、濡れ布巾を巻いておくと焦げを防げる。ただし、短時間の調理では持ち手が熱くなることはほとんどない。
次の動作に入る前の一拍が、短くなっている
フライパンが元の場所に戻っている。次に使う時、火力を迷わずに強火にできる。朝のキッチンで、動作が途切れずに続いていきます。



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